きぃさんの通知票　＠ゆう

　年に1度の健康診断。今年のきぃさんはその結果をドキドキして待っていました。正確に言うと、その診断結果を私に知られることにドキドキしていました。その境地は学校の通知票を親に渡す子供のごとし。何故なら去年の診断結果で総コレステロールとLDLコレステロール(悪玉菌)が標準値を軽く越えていて、これはいかん！と数値を下げる取り組みをしてきた1年の結果が出るからです。食事のメニューを変えて運動もできるだけはしてたんですが、診断前に体重が増えていたことで自信を無くしたようでした。これで実際に結果が去年より悪くなってたらその事実を隠蔽（いんぺい）すること間違いなし。良い結果の時だけ自慢気に報告するつもりでい
るのは見え見えでした。
　で、その診断結果はどうやって通知されるかと言うと、郵便で来ます。私が今年は家にいないので、きぃさんが隠蔽するにはもってこいの状況でした。ところがしかし、きぃさんは元から郵便物のチェックを怠り(おこたり)がちな人だったので、届いても気づかないというミスを発生させてしまいました。私宛の郵便物に紛れてたものをそうとは知らずに渡して帰り、次の日、再び面会にきた時には私に診断結果を知られていたのです。
　私がおもむろに取り出した封書の中身に気が付くと「あっ！」と声を出し、開封されていると知ると時すでに遅しと悟ったのか、うなだれてしまいました。それから用紙をソロソロと開き、見る箇所はやはりコレステロール欄。「……下がってる…！」
　そうなんです。総コレステロールとLDLコレステロールの両方が30弱も下がり、正常値までもう一息、という数値になっていたんです。きぃさんの顔が一気に明るくなり、医師からの総合判定文を嬉しそうに読み上げました。
「改善されてるって♪(^▽^*)」
「引き続き食事療法と運動療法を行ってください、とも書いたぁるやろ(^_^;)これからは運動も増やすで」
「(*ー3ー)ブゥ」
「ブゥじゃない(^_^;)コレステロールが減ったとは言っても体重が4kg増えて腹周りは3cm増えてるんやから、絞らな」
「え、そうなの？」
「良く見ぃや」
「……ホントだ～」
いかにコレステロールだけを心配してたかが丸分かりの発言に苦笑してしまいました。
「ま、食事内容を変えただけでコレステロールはこんなに下げられたんやから運動を加えたら正常値まで下がるやろうし、一緒に体重も腹周りも減るやろうから良かったやん」
「……何かこの会話、勉強科目みたいだね(^_^;)算数は良いけど…ってやつ」
「ほんまやね(笑)そしたらきぃさんの場合、算数と理科は良く伸びたけど国語と社会がちょっと落ちたね、ってトコか(笑)」
実際にきぃさんの得意科目と不得意科目を挙げて言い直すと、数年後には本当に子供に言ってそうなので笑えました。
　そういう訳できぃさんの今年の通知票は無事に私まで通達されました(笑)来年は体重を65kgに近づけて、コレステロールを正常値まで下げるのが目標です。産後に筋力とスタイルを戻すつもりの私と一緒に頑張ろうね、きぃさん(^▽^)/


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